子どもによい絵本を、よい読書環境をと願うおとなは多くいます。
でもね、絵本って、子どもだけのものじゃないんですよね。
おとなだっていろんなことを学ばせてもらえ、勇気づけてもらえる。

※大阪市の図書館や当センターで見ることができます。

◆おすすめ絵本一覧(絵本いろいろの会 加藤啓子さんと当センターの選による)
それぞれをクリックすると絵本の説明がご覧になれます

あくび

だじゃれ日本一周

ぶた にく

学校って
ええもんやでぇ

しりとりあそび

ぶたたぬき
きつねねこ

どんなおと?

だれがだれやら
わかりません

かまきりっこ

なわとびしましょ

きはなんにも
いわなの

うまれてきたんだよ

わにさんどきっ
はいしゃさんどき

だるまさんが
だるまさんの

親子

みんなのかお

だいすきなもの

はっぱじゃないよ
ぼくがいる

むしをたべるくさ

ももたろう

やさいはいきている

みんなおなじでも
みんなちがう

生麦生米生卵

昆虫記

地球動物記

実物大恐竜図鑑

おとうさんのえほん

しってるねん

ぎょうざつくったの

きょうはソンミのうちでキムチをつけるひ!

ぞうくんのさんぽ

ぞうくんのあめふりさんぽ

ぞうくんのおおかぜさんぽ

スニちゃん、
どこゆくの

かあさんまだかな

ズーム

ふしぎなナイフ

トトトのトナカイさん

おばけのもり

どうぶつえんで
あそぼ ぞう

あなたが
生まれるまで

ママが
いっちゃった・・・

まめうし あいうえお

どんどんきいて!

あめがふるひに・・・

がちゃがちゃどん

でんしゃがくるよ

きゃあああああああ
クモだ!

ゆうたはともだち

ねえ、どれがいい?

もぉ〜うしです!

戦争で死んだ
兵士のこと

はせがわくん
きらいや

あいうえおの本

ぼくの見た戦争

どこどこどこ

じてんしゃきこきこ

どうして?

いわしくん

おじいちゃんの
おじいちゃんの・・・

あと10ぷんで
ねるじかん

うえへまいりまあす

のにっき

だめよ、デイビッド!

おやすみゴリラくん

カニツンツン

ピーターのくちぶえ

ぷくちゃんの
すてきなぱんつ

Papa!パパーッ!

たねいっぱい
わらったね

まえむき、よこむき、うしろむき

どうぶつえんガイド

もこ もこもこ

おっぱい

いたずらきかんしゃちゅうちゅう

ぼちぼちいこか

いろいろんな日

はつてんじん

じゅげむ

おこりんぼママ

あかいふうせん

だじゃれ日本一周
長谷川義史
理論社
税込価格/1,365円

これは単なるだじゃれ絵本ではありません。この絵本を 「 3倍楽しく読むヒント 」 という折り込み付録もついていますが、それ以外の名所、名産品、名匠がいっぱい。旅行好きのばあちゃんや歴史マニアのじいちゃんたちと一緒に読んでみると 「 あっ、これは桂浜やね。これは浮見堂。大阪のたこ焼きと明石焼きの違いも、ちゃんと描いてある 」 「 TOYOTAの車ということは、これはひさや大通り 」 と地元の人には、うれしい描き込み。それを子どもたちに解説できる、 「 すごい 」 と言われ 「 じゃあこれは? 」 と盛り上がる異世代交流絵本です。
(いろいろVol.39に掲載)





ぶた にく
大西暢夫
幻冬舎
税込価格/1,680円

表紙をめくると見返しページにいきなりの文章 「 今夜かもしれない 」 。ゆうかり学園で飼育されている母豚の出産。子豚は産まれて5分もすれば走り回り、乳を飲み、じゃれ合い、どんどん大きくなっていきます。10ヵ月後、120kgほどに成長すると出荷され70kgの肉に。と場で解体される豚は毎日6万頭。簡潔な文に写真だけのページが17画面。おとなも子どもも、だまりこくって豚と肉の姿に見入ってしまいます。ドキュメンタリー写真絵本と銘打ったこの絵本。母豚の乳房のシルエットで終わりたいと思いきや、カバーの折り返しにその乳をくわえる子豚。裏表紙はめちゃくちゃおいしそうなソーセージ。常々、子どもたちに楽しくて、おもしろくて、元気のでる絵本を届けたいと願っている私たちですが、その中にきちんと混ぜておこうと思う絵本です。(いろいろVol.39に掲載)





あくび
中川ひろたか 文
飯野和好 絵
文渓堂
税込価格/1,575円

「 はじめに かばが あくびをしたよ 」 最初のページはこれだけ。次をめくると 「 フワー 」 その次「 それみた きりんに あくびがうつる フワー 」 あくびはアフリカの動物たちにつぎつぎとうつり、サファリ見学のお客さんにうつりそのテレビ中継をみていたパパにそれからママに。そしてぼくにうつって 「 おやすみなさい グー 」 でおしまい。文章の少ない絵本を敬遠する人は少なからずいらっしゃいますが、そんなふうに思わず、この絵本はのんびりモードで読みあってください。読み手も聞き手も、ほんとにあくびがうつってしまって大笑い。ゆーったりとした時間がうまれます。(いろいろVol.38に掲載)





かまきりっこ
近藤薫美子
アリス館
税込価格/1,575円

ひとつの卵のうから生まれでたのは219匹のかまきりっこ。野原で、水辺で、かまきりっこたちは元気に明るく、大さわぎしながら餌を食べ、自分たちもにぎやかに食べられています。しりとり仕立ての文章に、探しものの楽しさもあり、見返しページには、かまきりっこが前後あわせて441匹ずらり。全部に ♂ ♀ の区別と、カマコ、カマオ、フフフなどの名前あり。本文中のかまきりたちの名前が、ここで確認できるようになっています。他の虫や動物たちのくらしぶりも、おもしろ楽しく、しかも自然界のきびしいいとなみがきちんと描かれていて、幼い子どもたちはもとより、中学生、高校生たちも熱心にみてくれる絵本です。(いろいろVol.38に掲載)





だれがだれやら わかりません
高谷まちこ
フレーベル館
税込価格/1,050円

最初にいるのは ありの アリガトさん一匹。次のページには
136匹のあり。 「 あれ、アリガトさんは どこ? 」 「 だれが だれやら わかりません 」 次は きんぎょの キンコさん。これまた次のページには60匹以上の金魚。 「 だれが だれやら わかりません 」 かいじゅうのカイモちゃんを探しにきたおかあさん 「 どんなに たくさん こどもが いても おかあさんには わかります 」 あ―よかった。でも、ここでおしまいにならないこの絵本。最後のページに みわけかた。アリガトさんは触角が2本ともまっすぐ。オバロンさんの着物のキュウリ紋の中は5本。もどってみれば なるほど同じものはひとつとしてありませんでした。(いろいろVol.37に掲載)





どんなおと?
tupera tupera
教育画劇
税込価格/913円

「 てを たたいたら どんなおと? 」 と尋ねられて まずはパチンと手を打ってみます。 「 りんごをかじったら? 」 手近にりんごがないから かじるまねをして―シャクッ。 「 ぞうのおならは? 」 聞いたことないけど きっと―ブッボ―ン。 「 わにの はぎしりは? 」 「 むかでの はくしゅは? 」 問いかけは どんどんエスカレート。答はなし。絵本を囲んだ者どうしで あれやこれやと盛りあがりさわげます。ひとりずつ ユニ―クな音を披露して楽しみましょう。
(いろいろVol.37に掲載)





しりとりあそび しろとくろ、あか・みどり・き、ちゃいろ
星川ひろ子・星川治雄
小学館
税込価格/各1,050円

色限定で構成された写真絵本。表紙にはしまうまの白黒模様。赤と黄のすいかとその皮。四種類の茶色は何?裏表紙もこれまた四種の茶色。いったい何? さて しろ くろのではじまる白いものは・・・ページをめくらず ヒントだけを読んでしばし沈黙 「 うそく! 」 と子どもたちが答えたそのときに 「 あたり!」 とページをめくってあげてください。黒 白 黒と続くしりとりにみんな真剣。くろいふくきたのっぽのごはん 「 きずし! 」 「 でも 巻きずしは色とりどりだよね 」 と言いながらページをめくるとパンダもようの白黒まきずし。おみごと。赤 緑 黄のはっ ぷり きごお 「 次は次は 」 と盛り上がり 茶色は やきぶ けの ーんふれーく。三冊読んだあと 「 しりとりしよう 」 「 赤だけでしよう 」 「 青もしたい 」 しかしやりはじめると これがめちゃくちゃむずかしい。そのむずかしいところが楽しい。この絵本を手にした後は 当分 限定しりとりあそびがはやりそうです。(いろいろVol.36に掲載)





ぶたたぬききつねねこ
馬場のぼる
こぐま社
税込価格/1,050円

馬場のぼるさんの 「 ぶたたぬききつねねこ 」 が出版されたのは1978年。ことばのしりとりだけでなく 絵を読めば まめんどさんから買ったりすさんがべりだをして と、おはなしが存分にもり込まれている楽しい絵本です。
(いろいろVol.36に掲載)



学校ってええもんやで
不耳社
写真/武田光司
税込価格/3,800円

今回紹介する2冊は、どちらも写真集。写真の中の人々の表情や背景を読む楽しさは 絵本の絵を読むことと よく似ています。『 学校って ええもんやでぇ 』 この大型写真集の表紙には びっくり。子どもたちに大きくかぶさったタイトル。その隙間からみえる笑顔 笑顔。ネパール、タイ、カンボジア、タンザニア、モロッコ。13の国、29の学校での集合写真が延々と続きます。写真家の武田光司さんが、その子たちとの出会い、写真を写すまでのやりとりが やや・・・いえ 相当乱暴な感じで紹介されているだけで 本文中の言葉は一切ありません。10人足らずの小さな学校から数百人の学校。決して恵まれてはいないその環境もかい間見れるのですが、そんなことを問題にしているのではない。学校教育をウンヌンするのでもない。 『 学校って ええもんやでぇ 』 の力強いメッセージに 「 ほんまやね 」 「 ええねぇ 」 と納得させられます。
(いろいろVol.35に掲載)



親子
架空社
写真/田淵章三
税込価格/2,000円

親子の写真が これまたひたすら続く『 親子 』 生まれたばかりの赤ん坊と父親。青春まっただ中の息子とまだまだ若い母親。ふてくされた風の父親と甘える娘。老いた母親と老いにさしかかった娘。目元が、鼻筋が、えくぼが、どことはなしの雰囲気が、まさしく親子。なんやかんやあっても 「 親子って、ええもんやなぁ 」 「 笑顔って、ええなぁ 」 と、ページをめくりながらうれしくなってしまう写真集です。
(いろいろVol.35に掲載)



わにさん どきっ はいしゃさん どきっ
偕成社
作・絵/五味 太郎
税込価格/1,050円(本体/1,000円)

「 ゆっくり あそんでいたいけど 」 わにさん歯が痛くなったみたい。歯医者さんは もっと器械いじりをしていたかったのに
「 いかなくちゃいけないね 」 だって患者さんが来たのだから。 「 どきっ 」 「 どき 」 「 どうしよう 」 「 どうしよう 」 同じせりふが延々と続き 子どもたちから 「 真似してる 」 と声がかかります。でも、じっくりと絵を読み、わにさんと歯医者さんの立場や状況が解ってくると 同じことばでも意味が違うんだ!そのことに気づいたときの子どもたちのうれしそうな顔。わにさん役と歯医者さん役に分けて二人で読むと、より一層楽しめる絵本です。(いろいろVol.34に掲載)



だるまさんが だるまさんの
ブロンズ新社
作・絵/かがくいひろし
税込価格/893円(本体/850円)

ファーストブックとして出版されている絵本も4・5才児や小学生たちと一緒に楽しんでください。 「 だ・る・ま・さ・ん・が 」 すぐにページをめくらずにいると 子どもたちは声をそろえて 「 こ〜ろんだ 」  しばし間をおいて ページをめくると 「 どてっ 」 この単純な展開に子どもたちは大よろこび。次は 「 ぷしゅ―っ 」 次は 次はどうなるのという期待。最後は 「 にこっ 」 みんなも笑顔で 「 もういっかい! 」 二度三度とくり返して こんどは 「 だ・る・ま・さ・ん・の 」 先程とは ちょっと様子が違う。絵をよく読むとヒントがあるみたい。子どもたちは目を凝らし、だるまさんとにらめっこをしています。(いろいろVol.34に掲載)



きは なんにも いわないの
学研
片山 健
税込価格/1,260円(本体/1,200円)

近所の公園で、すーくんはおとうさんに木になってもらいました。すーくんは さっそくその木に登ろうとします。
でも なかなか登れません。「 どうやって のぼるの 」 すーくんが尋ねると おとうさんは声にださないで ( きは なんにも いわないの ) なんとか登ったすーくん。こんどは 「 むしがいるよ 」 「 とりが うんちしたよ 」 と語りかけますがおとうさんはやはり ( きは なんにも いわないの ) どうやって降りればいいのか尋ねても返事は同じ。すーくんは思い切ってひとりで降りていくことにしました。日頃 あれこれ言い過ぎているおとなには どきっとさせられる絵本。からだと心をしっかり支えているんだから なんにも言わない。こういうことも たまには必要なのかもしれません。(いろいろVol.33に掲載)



うまれてきたんだよ
解放出版社
文/内田麟太郎
絵/味戸ケイコ
税込価格/1,680円(本体/1,600円)



2008年秋 出版されたばかりの絵本。 「 ぼく うまれたんだって 」 で始まり、次、ページをめくると 「 さんねんで しんだんだって 」 「 いつも なぐられていたんだって 」 誰かを責めることも恨むこともなく 男の子は自分が生きていたときのことを淡々と語ります。『 うまれてきたんだよ 』 というタイトルは この子の叫び声・・・? そう この子は うまれてきたんです。生まれて 三年で死んだんです。中学生 高校生たちとも読んでいこうと思っている絵本です。 (いろいろVol.33に掲載)



なわとびしましょ
学研
長谷川義史
税込価格/1,260円(本体/1,200円)

男の子と女の子が大縄をまわしています。ペッタン ペッタン
ペッタン ペッタン。 「 なわとびしましょ おはいんなさい 」 たけしくんが はいります。ペッタン ペッタン。次は、おじいちゃんのせいぞうさん。それから おばあちゃんのひでこさん。さかなやのまさきちさん。ただ なわとびををするだけのおはなしなのですが、ペッタンのリズムに身体が動きだし、笑い声がおこります。みんなが汗と涙と鼻水、鼻血まで流してヘロヘロになった時、
ピタッと動きが止まります。そして、ひとこと 「 なわをふんだのだれですか・・・。 」 最後は雲さんがくすっと笑っておしまい。なわとびをしていた12人の様子が手に取るように見えてきて、子どもたちは大喜び。もういっぺん読んでと 声がかかります。
(いろいろVol.32に掲載)



やさいはいきている
ひさかたチャイルド
監修/藤田 智
写真/岩間史朗
発行人/嶋崎善明
税込価格/1,050円(本体/1,000円)

「やさいは、みんな いきている 」 にんじんも ごぼうも ほうれん草もじゃがいもも 切れ端を水にひたしておくと、みんな芽を出して育っていく。その様子が写真で紹介されています。その姿もなかなかのものですが 「 ちゃんと いきていた 」 「 やっぱり いきていた 」 「 みんないきている 」 と繰り返されることばにより心を打たれます。生命のことや 友だち関係の大切さを説教ではなく こんなふうにシンプルに伝えるのもいいですね。
(いろいろVol.32に掲載)



むしを たべる くさ
写真/渡邉弘晴
文/伊地知英信
ポプラ社
税込価格/1,260円(本体/1,200円)

たいへん!ワラジ虫がハエトリグサに閉じ込められている。ハチがモウセンゴケのねばねばの玉に溶かされていく。ハエもトンボも捕まった。食虫植物という存在を知っている人は多いだろうけど、この大写しの写真絵本にはびっくり!世の中には、なんとまあいろんな生き方、不思議なことがあるもんだと感心してしまいます。 (いろいろVol.31に掲載)



ももたろう
作/五味太郎
絵本館
税込価格/1,365円(本体/1,300円)

絵本作家 五味太郎さんが 「 きびだんごに誓ってほんとうのお話 」 といい切る 『 ももたろう 』。ももたろうがおじいさんおばあさんに育てられたことは有名だけど、実は他にも先生やお医者さん、近所のお姉さんの手伝いがあったおかげ 「 おじいさんおばあさんだけでは、そうすくすく育つものではありません 」 というのです。なるほど。鬼退治のお供をしたかった動物は他にもたくさんいたのだけど、ももたろうの早足についていけなかったとか。そうなのね、そして結末。ももたろうは鬼たちとサッカーや鬼ごっこをして、すっかり意気投合。「 行ってみなければわかりません。会ってみなければわかりません。行ってみればわかります。会ってみればわかります 」 お話すれば、歌ってみれば、おどってみれば、さわいでみればわかりますとのこと。中学生や高校生たちは大笑いしながら、そういうことよね、と納得しています。 (いろいろVol.31に掲載)



だいすきなものネパール・チャウコット村のこどもたち
写真/公文 健太郎
偕成社
税込価格/1,365円(本体/1,300円)

『 だいすきなもの 』 は、26歳の写真家、公文健太郎さんのはじめての絵本。中に描かれているのは、ネパール・チャウコット村のこどもたちのことば。 「 ぼくは土がすき 」 「 わたしは家 」 「 花 」 「 土曜日がいいな 」 飛行機が好きという少年は、なわとびをして空をとんでいる。サッカー選手になりたい男の子たちは草原で逆立ち。中学生、高校生とこの絵本を読みあい、じっくり時間をかけて、自分の大好きなものを探してみました。こんなふうに、だいすきなものを考えていいんだと気づいた彼らは、いい笑顔。笑顔がいっぱいの絵本は、どの世代の子どもたちにも届けたいものです。(いろいろVol.30に掲載)
※画像掲載については出版社の許諾をえています。



はっぱじゃないよぼくがいる
文・写真/姉崎一馬
アリス館
税込価格/1,470円(本体/1,400円)

「 はっぱかな? 」 「 はっぱじゃないよ ぼくがいる 」 えっ、どこにいるの?誰がいるの?あわててページをめくらずゆっくり探してみてください。 「 ぼくはここ わたしはここ 」 といわれると・・・葉っぱの虫喰い穴が、目や口に見えてきます。偶然にできた2つ3つの穴が、うれしそう、悲しそう、いろいろな顔になる。そんなふうに物をみていくと、フライパンが笑っていたり、マグカップがすましていたり。わたしたちのまわりには、いろんなぼくや、わたしが隠れています。絵本を読んだら、ぼく探し、わたし探しにでかけましょう。(いろいろVol.30に掲載)



みんなのかお
写真/さとうあきら文/とだきょうこ 
福音館書店 税込価格/1,575円(本体/1,500円)

『 みんなのかお 』 は、ゴリラ、ゾウ、キリン24種の動物たちの顔が見開きページごとにずらり。天王寺動物園の飼育員さんは、この絵本を開けるなり 「 あっ、うちの子! 」 「 ゴローや! 」 。ひとめで分かるんですかと、尋ねたら 「 あたりまえやん 」 ・・・なるほど。人間同様、動物たちもそれぞれ違ってあたりまえ。じっくりながめていくと・・・誰かに似ている。あの子にそっくり。おるおる、こんなひと。それを確かめに、動物園に行きたくなる絵本です。(いろいろVol.29に掲載)



おとうさんのえほん、おとうさんのえほんその2
作/高畠 純 
絵本館 税込価格/各1,260円(本体/1,200円)

先日聞いた話です。幼い娘さんが 「 おとうさん、読んで 」 と、お気に入りの絵本を手渡したそうです。 「 よっしゃ、よっしゃ 」 と、おとうさん。しばらくして、また娘さんが 「 ねぇ、読んでよ 」 。 すると、このおとうさん 「 いま、読んでるとこやん 」 と、答えたとか・・・。 『 おとうさんのえほん 』 の中のおとうさんたちも同じ。ひょうのおとうさんは、昼寝の最中に 「 あそんで 」 とねだられ 「 よし 」 と、木に登ったものの、またその場で寝こけてる。ひつじのおとうさんは、お面をかぶって驚かせようとするのだけど、いざという時に子どもはいない。ぶたのおとうさんは、子どもたちより泥あそびがお気に入りで、おかあさんにしかられる。その姿に、ほっこりと笑える四場面仕立ての絵本です。
(いろいろVol.29に掲載)



昆虫記
著/今森光彦 
福音館書店 税込価格3,360円(本体3,200円)

『 昆虫記 』 が出版されたのは、今から20年程前のことです。虫たちの正面顔や、うんちの写真がずらり。赤、黄、緑色の卵は、大きいの小さいの、ほそ長いのと47種類。イラガのまゆは20種類。模様がとてもきれいです。もちろん羽化や脱皮、巣づくり、産卵、補食の連続写真もあるわ、あるわ。あれやこれやの1700枚の写真にびっくり。その写真のすきま部分に書き込まれた今森光彦さんの 「 ねぇ、これ、見てごらんよ・・・ 」 という風な、気負いのないコメントに 「 へぇ〜 」 「 そういうことかあー 」 「 なるほどねぇー 」 とおどろくことがいっぱいでした。
(いろいろVol.28に掲載)

地球動物記
写真・文/岩合光昭 
福音館書店 税込価格4,935円(本体4,700円)

『 植物記 』 『 食べもの記 』 『 鉄道記 』と、この形態のものが次々と出版され、今年できたのが『 地球動物記 』私たち人間と一緒に、今、この地球に住んでいる動物たち250種類ほどの姿を、こんどは岩合光昭さんがワイドな画面も使って紹介してくださっています。(いろいろVol.28に掲載)

実物大恐竜図鑑
著/デヴィット・ベルゲン
日本語版監修/真鍋 真
訳/藤田 千枝 
小峰書店 税込価格1,890円(本体1,800円)

いくら大きな絵本といえども、恐竜が本の中に入るわけがない・・・?いえ 『 実物大恐竜図鑑 』 には、確かに恐竜が入っています。すこし離して、本を高く持ち上げてみてください。目や口、爪の一部しか描いていないからこそ、その大きさが想像でき、想像できることがおもしろくて、うれしくて、こどももおとなも喚声をあげます。(いろいろVol.28に掲載)

生麦生米生卵
作/長谷川義史編/斉藤孝 
ほるぶ出版 1,260円(税込価格)

『 生麦生米生卵 』 は15の早口言葉に絡めて、お姉ちゃんであり、娘であり、孫が結婚する日を丹念に描いてある絵を読む本です。結婚式の帰り道のお父さんの表情や、今夜は一緒に寝ようなと、四つの枕を並べている所など、ジーンとくるシーン満載。おばあちゃんやおじいちゃんと一緒に絵を読めば、なつかしい昭和の炊飯器やミゼットに、きっと話しは盛り上がるはず。ためしてみて下さい。(いろいろVol.27に掲載)



みんなおなじ でも みんなちがう
文/奥井一満写真/得能通弘AD/小西啓介 
福音館書店 8,80円(税込価格)

あさりがずらりと並んだ地味な表紙のこの絵本。ページをめくると、ひまわりの種、うずら卵、くわがた虫、にぼしなどが、画面いっぱいに、散らばっていたり、整列していたり・・・。どのページも、ことばは 「 みんなおなじでもみんなちがう 」 だけ。めくっても、めくっても 「 みんなおなじでもみんなちがう 」 。この絵本を読みはじめると、おとなも子どもも、まず、 「 ほうぅ!! 」 という表情になり、それから、ぐいぐい引き込まれていきます。私が 「 みんなおなじでもみんな・・・・・ 」 と、そこで止めると 「 ちがう 」 と、二、三の声があがります。次に 「 みんなおなじでも・・・・・ 」 。今度は多くの人が声をそろえて 「 ちがう 」 。そのことが当たり前のことなのか、すばらしいことなのか、困ったことなのかのコメントは一切ありません。ただ 「 ちがう 」 ということがわかって、おとなも子どもも、なぜかほっとする・・・。 「 そうなんだよなぁ 」 と納得してしまう。小学生、中学生にも、読みきかせをおすすめします。
(いろいろVol.27に掲載)



ぞうくんのさんぽ
ぞうくんのあめふりさんぽ
ぞうくんのおおかぜさんぽ
作・絵/なかのひろたか 
福音館書店 

『 ぞうくんのさんぽ 』 が出版されたのは1968年。お天気がよくてご機嫌なぞうくんが、かばくんたちを背中にのせて散歩にでかけ・・・池におっこちる。ただそれだけのはなし。ところが、こののんびりとしたごきげんな絵本は、どの世代の子どもたちも気に入ったらしく、今もあちこちで読み継がれ、40年ちかくたっています。そして2004年、36年ぶりにできた『 ぞうくんのあめふりさんぽ 』 雨が降っても、ぞうくんは相変わらずごきげん。かばくんに誘われて池の中へ散歩。だけど、ぞうくんは泳げない。かばくんが背中にのせてあげると、わにくん、かもめくんも 「 のせてあげる 」 。それから、ま2年後、こんどは『 ぞうくんのおおかぜさんぽ 』 おおかぜふいてもぞうくんはやっぱりごきげんで 「どれどれ さんぽにでかけよう 」 。この3冊を、続けて、ゆーっくり読んでみてください。「 うわーっ 」 と、ひっくりかえる場面は、ひとまず絵本を縦にして、徐々に倒して、それから 「 どっぼーん 」 ころがるシーンは、絵本もごろんごろん・・・。おはなしは単純だけど、小学校の高学年にも読み聞かせをおすすめします。子どもたちは、どんなときでもごきげんでいるぞうくんたちに接してゆったりとした笑顔を拡げていってくれます。−ともだちとは仲よくしなさいね−などという押しつけのないことが、いいんでしょうね。。
(いろいろVol.26に掲載)




ぎょうざつくったの
文と絵/きむらよしお 
福音館書店 1,200円(本体価格)

子どもたちだけで『ぎょうざつくったの』と、言われれば、どきっ! 台所は、どんな状態になっているのやら…。でも、子どもたちは、自分で料理することが、うれしいんですよね。おいしいんですよね。表紙をめくってすぐの見返しのページをみてください。顔をつかって、たこやき。たらこ。ハンバーグ…。本物のぎょうざはすぐに作れなくても、このあそびならできますね。
(いろいろVol.25に掲載)



きょうはシンミのうちでキムチをつけるひ!
文/チェインソン 絵/パンジョンファ 訳/ピョンキジャ 
セーラー出版 1,500円(本体価格)

さて、ソンミのうちの裏庭に住んでいるねずみの家族。今年は、自分たちもキムチを漬けようと思いたちます。「毎年、もらってばかりじゃ悪いから」と……。ソンミのうちではいつもどうり、おばあちゃんの指示に従って、山積みの白菜をあら塩で漬け込み、次の朝、水洗いをして、と、大忙し。ねずみたちも、おばあちゃんのことばを聞き逃さないように注意を払い、てきぱきと手を動かします。具をはさむ作業のときは、近所の人たちもお手伝い。文章に書かれてはいないけど、お父さんも一緒。キムチを漬けるだけのおはなしですが、みんなでワイワイとすごす楽しさが伝わって、いい心地になる絵本です。
(いろいろVol.25に掲載)




この本では、キムチ(kimchi)のムなど、なるべく本来の
発音に近づけるため、子音のみの発音については、文字
を小さくして、言語により近い表記になるよう、心がけました。

しってるねん
文/いちかわけいこ 絵/長谷川義史 
アリス館 1,200円(本体価格)

「 こんにちは 」 と、あいさつされて、あれ?あのひとだれやった?ぜったい 『 しってるねん 』 えーと、ええーっと・・・。登場するのは、気合いを入れて仕込みをしているパンやのおねえちゃん。いちずに、たこやきを焼いているおばあちゃん。かっこよくポーズを決めてるさかなやのおばちゃんたち。あれ?ここって、いろいろ相談センターのある天神橋筋商店街やん。このお店、みたことある。ここも・・・これも。あっ、長谷川さん(作者のことです)自転車のって走ってる。裏表紙で 「 こんにちは! 」 といってきたのは、あのおっちゃん!声をかけあうご近所づきあいって、いいですね。
(いろいろVol.24に掲載)



おばけのもり
文/石津 ちひろ 絵/長谷川義史 
小学館 1,400円(本体価格)

べるとんなににさしいもち 『 おばけのもり 』 を一緒に読んでいた小学生が 「 おれ詩つくんの嫌いやけど、こんなんやったら、つくってもええわ 」 と、やる気をおこした絵本。全ページに、たこやきとてんぐおじさんがいて、それを探すのに子どもたちは真剣。そして、おめめ丼やひのたま丼にびっくり。
(いろいろVol.24に掲載)

トトトのトナカイさん
作・絵/長谷川義史 
ブロンズ新社 1,200円(本体価格)

『 トトトのトナカイさん 』 は、 「 ふゆのあのひ いがいは、たいくつ 」 だそうです。この言葉が理解できるくらいの子どもたちに読むと、大よろこび。ただのしりとり絵本なのに、みんなで、声をあわせるのがうれしい・・・。長谷川さんの絵本は、いつも、さりげなく、奥深く。説教でなく、笑いながら、いろんなことを教えてくれます。 『 おじいちゃんのおじいちゃんの、おじいちゃんのおじいちゃん 』 (BL出版)も、ぜひ読んでください。
(いろいろVol.24に掲載)

ふしぎなナイフ
著/中村牧江、林 健造 絵/福田隆義 
福音館書店 743円(本体価格)

表紙にナイフが一本。このナイフ、どれだけ不思議かというと・・・・・・。まがる。ねじれる。おれる。子どもたちは  「 えぇー 」  「 なんでやねん 」  「 ありえへーん 」  と、叫びます。そのたびこちらも負けじと  「 ふしぎなナイフやからね 」  と、念押し。するとあっさり  「 ああ、そうかあ。ふしぎかあ 」  と、受け入れ、次は、どうなることかと興味津々・・・。ほどける。ちぎれる。予想以上のことがおこり、子どもたちはまたひっくり返って、両手をあげて、そのおどろきを体で表現してくれます。
(いろいろVol.23に掲載)



ズーム
著/イシュトバン・バンニャイ
ブッキング 1,800円(本体価格)

こんな、びっくりおもしろ絵本の中のとっておきが 『ズーム』 。にわとりのとさかから始まって、農家に暮らす子どもたちかと思いきや、実はそれが、おもちゃであって・・・・・・。と、思っていたら雑誌の表紙で・・・・・・では、なくてバスのボディの広告で・・・。ただのひとこともことばがないまま、画面はどんどんズームアウト。 「 ちょっと待って 」  「 もどって 」  という声がかかると、 「 しかたがないねえ 」 「 ちょっとだけよ 」  と、もったいつけて前の頁へいったりきたり。ひとりでじっくり読むのもいいのですが、たくさんのひとと一緒に読めば、楽しさ倍増。絵本なんて、と、なめてかかっていたおとなたちも、 「 えっ 」  「 まさか 」  と、子どもたちも同様、おもしろがっています。
(いろいろVol.23に掲載)



かあさんまだかな
文/イ・テジュン 絵/キム・ドンソン 
訳/チョン・ミヘ 
フレーベル館 1,200円(本体価格)

鼻の先が赤くなるほど寒い日、ぼうやがひとり停車場へ。路面電車が着くたび、ぼうやは尋ねます 「 ぼくのかあさんは? 」 。運転士さんは 「 しらないね 」 と答えるだけ。三度目の問いかけに 「 ああ、君がまちぼうけぼうやだね。かあさんがくるまで、ここで、じっと待っていなさい。いいね。 」 と言われ、ぼうやはぴたりと動きを止めてしまいます。それからどれくらい待っていたのか。雪が降りだしてきたのに、ずいぶん寒かろうに・・・・・。文章のない絵だけの頁が続き、読み手の間に緊張感が走ります。降り積もる雪の中に・・・・・いた!ぼうやがいた!1938年のイ・テジュンの作品に 2004年、若い絵描きさんの絵で絵本化されたそうです。
(いろいろVol.22に掲載)



スニちゃん、どこゆくの
文/ユン・クビョン 絵/イ・テス 
訳/小倉 紀蔵・黛 まどか 
平凡社 1,500円(本体価格)

春が来て、スニちゃんが峠のむこうで畑仕事をしている、おじいちゃん、おとうさんの所へ、おやつを届けにいきます。春の日差し、風のにおいが感じ取れるこの絵本にたくさんの言葉はありません。りすや小鳥が 「 おや、スニちゃん、どこゆくの 」 と尋ねるだけ。しかし画面全体から、冬を越してめぐってきた季節への、農作業ができる人々の、お手伝いができたスニちゃんの喜びがみちあふれています。どちらも韓国の絵本です。じっくりと絵を読み取ってください。
(いろいろVol.22に掲載)



あめがふるひに・・・
文/絵 イ・ヘリ 訳/ピョン・キジャ 
くもん出版 1,300円(本体価格)

『 あめがふるひに・・・ 』 は、韓国で作られた絵本です。表紙をめくると、雨。また雨。本文に入っても、また横なぐりの雨。そこには 「 こんなあめがふるひ チーターはなにをしてるかな? 」 と、ことばがあるだけです。こういう絵本は、すぐに次へ進まず、ここで雨の音、におい、冷たさを感じ、いろいろ考え、楽しんで・・・・・それから、そーっとページをめくってください。では、こんなあめがふるひ、ライオンは?と続きます。
(いろいろVol.21に掲載)



どんどんきいて!
作/アンティエ・ダム 訳/石津ちひろ 
小学館 1,500円(本体価格)

『 どんどんきいて! 』 は、手のひらサイズ、190ページの語りかけ絵本。 「 いちばんのかよしは だあれ? 」 「 いつか すんでみたいところはどこ? 」 「 どんなペットをかってみたい? 」 このような質問が92個。これでもか、という風にならんでいます。日頃、宿題すんだ?歯磨きした?忘れものない?というたぐいの問いかけばかりされている子どもたちは、まず、 「 えっ? 」 という表情。それから 「 えーっと・・・ 」 「 ぼくなら・・・ 」 「 わたしなら・・・ 」 と、思いをめぐらします。もちろん、おとなのあなたも一緒になって考えてください。YesかNo。正解、不正解ではない、どんな風に答えてもいいのですから。中学生、高校生たちも、真剣そのもの。どんどん進まず、今日はここまで、続きは明日のおたのしみ。というのもいいかも。“しおりひも”がついているので大いに活用しましょう。
(いろいろVol.21に掲載)



まめうし あいうえお
作/あきやまただし 
PHP研究所 476円(本体価格)

『 子どもと絵本を読みあう 』 (村中李衣著・ぶどう社) ということばにであったとき、これだ!と思いました。読んであげるでもなく読みきかせでもない。読み手と聞き手が同じ場所にいて、同じ立場で笑いあえる。ふたりきりで読みあうもよし。100人でもよし。たとえば 『 まめうし あいうえお 』 。あかちゃん絵本と表示してあるけど、とんでもない。小学生も大学生も、一緒に声をそろえて  「 あ・い・う・え・お 」 それだけなのにじゅうぶんたのしい絵本です。一方、どんなに気に入った絵本でも、めったに読みあえないものもあります。
(いろいろVol.20に掲載)



ママがいっちゃった・・・
作/ルネ・ギシュー 絵/オリヴィエ・タレック 訳/石津ちひろ 
あすなろ書房 1,500円(本体価格)

『 ママがいっちゃった・・・ 』 どこへよ?と、問いかけたくなるタイトル。ママは木の実をひろいにいったのでもなく、パパを迎いにいったのでもない。もうどこにもいない。「だって、天国にいっちゃったんだもん」 くまの子は、ママが死んだとは言いません。そして、悲しいとも辛いとも言えず、大きな木の下で、ただ、横たわっています。 「 このまま、ずっと、こうしていようかな。べつにいくところなんてないし 」 と。パパだって、泣きたいのをがまんしてる・・・。子どもたちは、ふたりの気持ちを読み取ろうと、目をこらし耳をすませます。裏表紙に椅子がぽつんとひとつ。それを眺めながら涙を流す子。読み手も一緒に泣いていようと思う絵本です。
(いろいろVol.20に掲載)



あなたが生まれるまで
作/ジェニファー・デイビス 絵/ローラ・コーネル 訳/槇 朝子 
小学館 1,600円(本体価格)

おもしろい絵本を見つけるコツは、絵とことばが重なっていないかどうかを確かめること。文章とは裏腹に、まさか、というような絵があってこそ絵本なのです。 『 あなたが生まれるまで 』 も、ことばだけたどっていくと、赤ちゃんの誕生をひた すら待ち望んでいるお母さんの気持ち。でも、絵を読むと……。 「 小さなつめが生えてきました 」 の場面では、赤ちゃんがふんぞり返ってマニュキア。 「 お腹の中で、あなたが動くのを感じました 」 のページでは、棒高跳び。ほかに、たいこたたいて、ラジカセ片手にダンス、ダンス。にぎやかなこと、この上なし。子どもって、おとなが予想できないほど、奇妙きてれつなことをして育つもの。これくらいの覚悟で、赤ちゃんの誕生を迎えれば、子育てもだいじょうぶかな、と思える絵本です。
(いろいろVol.19に掲載)



どうぶつえんであそぼ ぞう
文/なかの ひろみ 写真/ふくだ とよふみ 
福音館書店 400円(本体価格)

こちらは、小さなサイズの白黒の写真絵本。 『 ぞう 』 の体のあっちこっち、足、目、耳、鼻が見開きで紹介されています。表紙裏に、解説のようなものがあるのですが、本文中には一切ことばがありません。これは、いったいなんだろな、にはじまって、へぇー、こんなふうになっているんだ。すごいなあ。と、発見する楽しみがあります。ことばがないぶん、じっくり絵が読める、ということです。 シリーズで 『 きりん 』 『 らいおん 』 もあります。
(いろいろVol.19に掲載)



も〜ぉ〜うしです!
文/うしのえほんをつくる会 絵/とく はるあき(徳 治昭) 
解放出版社 1,260円(税込価格)

牛は鳴き声以外すてるところがありません
ある朝、1頭の牛が散歩にでかけました。あっ!牛乳!プリンも!どんどん進むうちに・・・。ステーキ!かばん!グローブ!太鼓!あれあれ、これは・・・・・何だろうなぁ? たくさんのものに出会う牛。でも、よ〜く考えればみ〜んな牛からできるものばかり! そう、この絵本では牛から得られるさまざまな製品を紹介しています。牛からできている製品がこれほどまでに私たちの身のまわりにあることに驚かれることと思います。すべての 「 命 」 の大切さ、人の  「 命 」  の大切さを子どもたちと一緒に考えてみませんか。また、文字を使わない絵本なので、この絵本をみる子どもの発想やおとなも子どもも一緒にストーリーを作り楽しい時間をすごせることと思います。
(いろいろVol.18に掲載)



ねえ、どれがいい?
作/ジョン・バーニンガム 訳/まつかわ まゆみ 
評論社 1,365円(税込価格)

「 もしもだよ、きみんちののまわりがかわるとしたら、大水と、大雪と、ジャングルと、ねえ、どれがいい? 」 「 ジャムだらけになるのと、水をかけられるのと、ドロンコになるのとは? 」  「 どれなら食べられる?クモのシチュー、かたつむりのおだんご、虫のおかゆ、へびのジュース。 」  問いかけは、どんどんエスカレート。あれかこれか迷う楽しさ。どれを選んでも間違いなんてありません。でも、どれかに決めないと次へ進めない・・・。子どもたちはもちろん、学生やおとなたちも、ああだこうだと、盛り上がり、いい時間を共有できる絵本です。
(いろいろVol.17に掲載)

ゆうたはともだち
作・絵/きたやま ようこ  
あかね書房 714円(税込価格)

「 おれ いぬ 」 「 おまえ にんげん 」 で始まる 『 ゆうたはともだち 』 「 おまえ わらう おれ しっぽふる 」  「 おまえ たたく、おれ かむ 」  犬のじんぺいと人間ゆうたの共通点は・・・ないみたい。でも最後に 「 おれとおまえ ぜんぜんちがう。だけど すき。だから ともだち 」  なんと、ここち良い関係! 中でもうひとつ  「 おまえ なんでもすぐにきく。おれじぶんで かんがえる 」  と、じんぺい。・・・・そう、子育てのことも、絵本選びも、誰かに尋ねるばかりでなく、自分で考えてもいいんだ・・・。絵本って、子どもに読んであげていながら、実は、おとなが励まされていること、結構あるんですよね。
(いろいろVol.17に掲載)

きゃあああああああクモだ!
作/リディア・モンクス 訳/まつかわまゆみ  
評論社(1,600円・本体価格)

一匹のクモが、ある家族のペットになりたいと申し出る。でも、家族の反応は  「 きゃあああああ 」  の悲鳴。そりゃそうだ。相手はクモだもの。くもはいくつかの自己アピールをするけれど、やっぱり 「 きゃあああああ 」 うちひしがれたくもは、夜の庭にでて巣をはりめぐらせる。キラキラ絵本に興味がなかった私だけど、これは笑った。くもは、ペットとして受け入れられ、満ち足りた日々を過ごす。ところが調子に乗ったくもは、友だちはを呼び集め、再び家族から 「 きゃあああああ 」 そりゃそうだ。過ぎたるは及ばざるがごとし。やっぱり限界ってあるよね。
(いろいろVol.16に掲載)

でんしゃがくるよ!
作/シャーロット・ヴォーク 訳/竹下文子  
偕成社(1,400円・本体価格)

叫べる絵本 『 でんしゃがくるよ! 』 土曜日、いつも自転車に乗って、お父さんとぼくとお姉ちゃんは電車をみにいく。路線をまたいでいる、細い橋の上へ。電車がぐんぐん近づいて、足の下をくぐりぬける。その時髪の毛は風でまい上がり、橋はびりびり震え、お姉ちゃんは、こわくて  「 きゃー 」  と叫び、ぼくは気持ちよくて  「 きゃー 」  と叫ぶ。絵本の読み手と聞き手が一緒に叫べるここち良さ。遠慮なんかせず、はずかしがらず、思い切り叫ぼう。きゃああああー。私たちのまわりには、どきどき、わくわくできることがいっぱい。お金なんか、かけなくてもね。そんなことを気づかせてくれる絵本です。
(いろいろVol.16に掲載)

がちゃがちゃ どん
作/元永定正  
福音館書店(743円・本体価格)

かーん かーん。ちん ちん。どさん。ぽんぽん。ざあー。ごー。とん、ちん、かん。ぴーいっ。ぷすん。ぷ。誰かに読んでもらうのはいいけど、なかなか人前で読めない 『 がちゃがちゃどん 』 でも一度読みだしたら病み付きに。何歳向きなんて気にしない。同じページをくり返し読んで、2回も3回も続けざまに読んだら大合唱に。音と絵を楽しむこの絵本に能書きや効能など、しち面倒くさいことは言わないこと。おもしろいって素敵なことなんだから。
(いろいろVol.15に掲載)

じてんしゃ きこきこ
文/内田麟太郎 絵/大橋重信 
ビリケン出版(1,600円・本体価格)

タコさんとムカデさんは、自転車をきこきこしているぽんちゃんのことが、気になってしようがありません。  「 タコさん、なにみてるの 」  と尋ねられても  「 なーんにも 」  「 なにも みとらんよ 」  。ぽんちゃんは、また、きこきこ。 「 おかしいなあ。またあったよ 」  「 ぐうぜんだろ 」  「 たまたまさ 」  。2人は、ぽんちゃんの後ろをついてまわって観察し、ねじりはちまきで研究し、作りあげたのが自分用の自転車。そして3人一緒に、きこきこ、きこきこ。この絵本を読むと、小学生も大学生も笑いころげ、とろけそうな表情をしてみせてくれます。きこきこするだけのここちよさ。こんな生き方もいいな・・・。ちょっとだけ見習ってみようかな。などと思っているのかも知れません。確かめてはいませんけどね。
(いろいろVol.15に掲載)

どこ どこ どこ
作/長谷川義史 
ひかりのくに(1,200円・税別)

「 まいごの子ども。ひげをそってるおじさん。りんごあめたべてるこ。えび。リモコン。どこどこどこ? 」  えさがしえほん “いってきまーす” に入り込んだら、当分帰ってこれません。びっしりと描かれた、あれやこれ。 「 さがしてね 」  と言われて、やっとこさっとこ探し出し、最後のページにたどりついたら  「 まだ、さがしたい? 」  と追い打ちかけられ、また最初から・・・・。あっ、こんなとこにあのおっちゃんが、うわあっまたあの親子が、あのじいちゃんも・・・・なにやかやが次々みつかってひょっとしたら、これも、これもと、どんどん深みにはまってしまうのです。子どももおとなも、というより、おとなを狂わす恐怖のどこどこ絵本。ま、一度手にしてみてください。
(いろいろVol.14に掲載)

ぼくの見た戦争
作/高橋邦典 
ポプラ社(1,300円・税別)

もう一冊、手にしてほしい写真絵本。2003年イラクの現状。若者に背負われた母親らしき女性のみつめているもの・・・。その背後を走る戦車の爆音と地響き。戦死した兵士に手を添えて泣く若者の声。着の身着のままで避難する人々、その場でなおも生きようとしている人々の息遣いを、私たちはどれほど受け止められるのでしょうか。  「 子どもたちに見せられないことを、おとなたちがやっている 」   「 戦争をやっているのは、おとなたちです 」  とは、この絵本に添えられている言葉です。今回紹介した絵本は、どちらも最新刊です。
(いろいろVol.14に掲載)

あいうえおの本
作/安野光雅 
福音館書店(1,550円・税別)

「 あ 」  から  「 ん 」  まで木目のさまざまな組木で文字を表現している。 『 あいうえおの本 』 たとえば 「 さ 」  は桜の木。その横でるがんりんしゃでかだちしている絵。その文字と絵の周りは  「 さ 」  のつくもの、道具、虫、動物、草花などの美しい線画。 『 旅の絵本 』 の作者でもある安野さん特有のひねりやだまし絵もこれまたいっぱい。 「 む 」  の文字にはすび目やし喰いもあり  「 け 」  の一部はずれていて  「 へ 」  の断面は  「 へ 」  とにかく  「 へえ〜、 」  の連続。しみじみながめ入ることのできる、しみじみ美しい絵本です。実はこの絵本、昭和51年に出版され、今も版を重ねているロングセラー。
(いろいろVol.13に掲載)

はせがわくんきらいや
作/長谷川集平 
ブッキング(1,600円・税別)

『 はせがわくんきらいや 』 も同じ年(昭和51年)に出されたのですが、こちらは出版社の倒産などで絶版を繰り返しながら、今回が確か3回目の復刊。体の弱いはせがわくんに向かって、クラスメートである  「 ぼく 」  は、はっきりと  「 しんどうてかなわん 」  「 大だいだいだあいきらい 」  と言い放ちます。文章だけを読むととても残酷。でも絵を読むと彼等は、はせがわくんとフツーに遊び、手助けが必要なときには気を抜いていません。そのけなげな姿・・。この絵本に限らないことですが絵本の文章は、目だけで読まず声に出して、そして、絵をじっくり読んでください。彼等の本音と本気がみえてくるはずです。
(いろいろVol.13に掲載)

戦争で死んだ兵士のこと
作/小泉吉宏 
メディアファクトリー(880円・税別)

「 今はのどかな森の中の湖のほとり 」  で始まる黒ペン一色のこの地味な絵本。ページをめくると  「 ひとりの兵士が死んでいる 」 1時間前、彼は生きていました。そして、5日前、10日前、2年前、10歳の時、3歳の時・・・と話は逆のぼり 「 24年前のきょう、この世に生を受けた 」  とあります。母親にこの絵本を読んでもらった5年生の男の子は、 「 週末に友だちとヨットに乗る約束をしていたところが一番こたえた 」  といい、2年生の女の子は  「 うちのパパは戦争に行かないよね 」  と訪ねてきたということです。私がこの絵本を読むと何人もの学生は静かに涙を流し、何人かの母親は声をあげて泣きました。ある高校生は読み終わるや否や、 「 おばちゃん、それなんぼ?(価格のこと) 」  と聞いてきました。彼はこの絵本をすぐに求め、友人に手渡したいと思ったのです。
(いろいろVol.12に掲載)

のにっき−野日記−
作/近藤薫美子 
アリス館(1,500円・税別)

『 のにっき 』 は、いたちの亡骸が草はらに横たわっている場面から始まります。文章はなく全画面の右上に日付けが添えてあるだけ。死んだいたちは、鳥や虫、他の動物の食糧となり、やがて形をなくします。しかし、その野にはまたたくさんの生命が育まれています。死ということを言葉だけで解説したり納得させたりしようとしない上の絵本とこの絵本を、もっとたくさんの人たちに読んでもらいたいと思うこの頃です。
(いろいろVol.12に掲載)

うえへまいりまあす
作/長谷川義史 
PHP(1,100円・税別)

ぼくとおとうさん、おかあさんがそろってデパートでお買い物。 「 チ?ン」 。 エレベーターが鳴って 『 うえへまいりまあす 』 。おかあさんは水着を買って、おとうさんはパンツ…。なんでだろうなんて、この際考えず、じっくり絵をみてください。いろいろな人がいろいろに買い物を楽しんでいます。仲よし老夫婦はいつも一緒。なにわのおばちゃんは、バギーに子どもを乗せて興味津々デパートめぐり。売り場の工夫もおみごと。地獄の物産展ではうそつきの舌の展示や、そうべいの綱渡りがあったり、地獄の釜飯を販売していたり…。先日、本屋でこの絵本に見入っている子どもに、おかあさんがひとこと 「 もっと字のようけあんのにしとき 」  あーあ、もったいない。年齢問わず、これほどおもしろがられる絵本はめったにないのに…。
表紙の裏にある見返しページまで楽しさ満載。絵本とは文章だけでなく、絵を読んでこそ絵本です。そのことをお忘れなく。
(いろいろVol.11に掲載)

あと10ぷんでねるじかん
作・絵/ペギー・ラスマン 訳/ひがしはるみ 
徳間書店(1,800円・税別)

ぼくの家へ10分旅行にやってきたハムスターの家族は12匹。 『 あと10ぷんでねるじかん 』 「 あと9分 」 「 あと8分 」 と、せかされながらも後からきたハムスターたちと一緒に大騒ぎ。おまけに10匹の子どもたちの個性豊かなこと。いるいる、こんな子…。
表紙の裏にある見返しページまで楽しさ満載。絵本とは文章だけでなく、絵を読んでこそ絵本です。そのことをお忘れなく。
(いろいろVol.11に掲載)

おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん
長谷川 義史 
BL版局(1,400円・税別)

絵本を楽しむコツは、絵を細かくていねいに読むこと。そうすると文章に表されていないドラマをいっぱいみつけることができます。この絵本は、5歳のぼくが 「 おじいちゃんのおとうさんは、どんなひと? 」 に始まって 「 ひいひいひいひいおじいちゃんは、どんなひと? 」 と、どんどんさかのぼっていく物語です。どこまでって?見開きスペース全部にひいひいひいの文字が埋まる時代。つまりおさるさんまでいくのですが、各時代の生活背景が実に細かく描かれていて、ふうーん。へえーの連続です。おまけに裏表紙には、ご先祖さまが勢ぞろい。表紙カバーの折り返しには、今のぼくにつながる摩訶不思議な生命が描かれているという凝り方。でも、本文のことばはいたってシンプルです。
(いろいろVol.10に掲載)

いわしくん
菅原たくや 
文化出版局(1,325円)

いのちつながりで紹介したい一冊が 『 いわしくん 』 。日本の海で生まれたいわしくんは、つかまって、売られて、焼かれて、食べられてしまいます。でも、いわしくんは人の体の一部になって泳ぐのです。とても幸せそうに。この絵本を高校生に読み終えたとき 「 おおーっ! 」 「 いわしくん! 」 という歓声と共に拍手が湧きおこりました。生命のことをとやかく言葉で説明していないからこそ、彼等はこの絵本を受け入れてくれたんだと思います。もちろん幼い子にもおすすめ。けど、解説はしないこと。わかる時にわかることこそ大切なんですから。
(いろいろVol.10に掲載)

どうして?
ぶん:リンジー・キャンプ え:トニー・ロス やく:こやまなおこ 
徳間書店(1,500円・税別)

『 どうして? 』 と、子どもはすぐに聞きたがりますよね。「 それはね・・ 」 と、ていねいに答えてあげたいのはやまやまですが、おとなだって忙しかったり、疲れていたり、いろんな理由があって応じられないことがあります。リリーのお父さんも度重なる 「 どうして? 」 に答えきれなくなるのですが、リリーは 「 どうして? 」 と繰り返します。ある日ザーグ星人がやってきて 「 大王さまの命令だから地球を滅ぼす 」 と、いいだしました。リリーは、また 「 どうして? 」 。結局ザーク星人たちは、 「 そういえば、他の星を征服してもいいことなんかなかったな 」 と帰ってしまいました。おかげで地球は助かったのです。
(いろいろVol.9に掲載)

Papa!パパーッ!
さく・え:フィリップ・コランタン やく:薫くみこ ポプラ社(1,200円・税別)

今、まさに眠ろうとしているぼくの隣にかいじゅうがいる。ぼくは 「 パパーッ! 」 と、さけびます。パパは悪い夢をみたのさといい、ママは心配しないでと、眠れるおまじないをとなえます。でも、やっぱりかいじゅうがいる。 「 パパーッ! 」 男の子はまたさけびます・・・
今、私たちのまわりには、上記の絵本のように 「 どうして? 」 と素直に物事を尋ねたり、この絵本のようにさけばなくてはならないことがいっぱい・・・。いえ各々がどうしてなのか考えなくてはならないんですよね。
(いろいろVol.9に掲載)

ぷくちゃんの すてきなぱんつ
さく:ひろかわ さえこ アリス館(880円・税別)

トレーニング真最中のぷくちゃんは、いつもあとすこし、というときに、じょじょじょ〜ん!普通の母親なら  「 もーう。いいかげんにしてよ 」 と怒鳴りたくなるところ。でも、ぷくちゃんのおかあさんは 「 だいじょうぶ。だいじょうぶ。ほら、おかわりぱんつ 」 と笑顔でパンツをさしだします。このおかあさんは、ぷくちゃんがほんのすこしずつですが、ひとりでおしっこができるようになっていることを知っているのです。
(いろいろVol.8に掲載)

ピーターの くちぶえ
さく:エズラ=ジャック=キーツ やく:きじま はじめ 偕成社(1,200円・税別)

幼いピーターは、口笛がふきたくて一生懸命練習をします。けど、なかなかできません。その姿をおかあさんにみつけられると、ピーターは照れてお父さんの真似をします。おかあさんは 「 なにしてんの?なんのつもり? 」 などと問いつめたりしません。上記の紹介絵本(ぷくちゃんのすてきなぱんつ)に登場するおかあさんとこのおかあさんは、あわても、いらいらもせず、子どもたちのちいさな仕草を見逃さず、できるようになったことを心から喜んでいます。 「 そんなものわかりのええ母親に、私、なられへん・・・ 」 などと決めてしまわないこと。だいじょうぶ。だいじょうぶ。毎日は無理でも週1回くらいならできるでしょ。
(いろいろVol.8に掲載)

カニ ツンツン
文:金関寿夫 絵:元永定正 福音館書店(800円・税別)

どこかで聞いた、呪文のようなことば。カニ ツンツン。ビィ ツンツン。チャララ。それが風の音だったり、鳥のさえずりだったり。でも、この絵本でそんな意味を確かめなくてもかまいません。どんどんページをめくっていってください。不思議な絵が次々と現れます。いったい何なの?これは?などと深く考えず、シング パパゲノ。シング パパゲナ。パパパパパ。読み方はあなたの思うまま。しっかりと声にだして、さけんだりささやいたり、いろいろためすとおもしろいですよ。
(いろいろVol.7に掲載)

おやすみ ゴリラくん
作:ペギー・ラスマン 訳:いとう ひろし 徳間書店(1,200円・税別)

そうっと読む絵本。だって表紙でゴリラくんが 「 シーッ 」 と合図をしてるでしょ。この絵本には、ほとんど文章がありません。動物園に夜がきても、まだ眠りたくない動物たち。だけど遊ぶわけにはいかないし、飼育係のおじさんをこまらせたくない。それにちょっとさみしい。動物たちは、だまっておじさんの後についていき、また、おばさんと一緒にだまって帰っていきます。「 なにしてんの 」 「 はよ、ねえや 」 「 ぐずぐず せんといて 」 そんなことばがありません。だって、夜中です。今から眠るんです。静かなことが、うれしくなる絵本です。
(いろいろVol.7に掲載)

だめよ、デイビッド!
作:デイビット・シャノン 訳:小川仁央 講談社(1,300円・税別)

新しい絵本 『 だめよ、デイビッド! 』 は、いつもママに 「 やめなさい 」 「 しずかに 」 「 ふざけないの 」 と、怒鳴られっぱなし。このいたずらっ子はあげくの果てに花びんを割ってしまいます。でもこのママはデイビッドがわざとしたのではないことを知っています。だから 「 こっちにおいで 」 と、呼びよせ、不安気に両手を開けるデイビッドをギュッと抱きしめてしまいます。みなさんも、部屋の隅で、涙目になって反省しているデイビッドを見落とさないでうださいね。
子育ての大切なことは、子どもの内面を読みとること。これは絵本の絵を読むことと同じです。
(いろいろVol.6に掲載)

いたずらきかんしゃちゅうちゅう
文・絵:バージニア・リ−・バートン 訳:むらおか はなこ
福音館書店(1,100円・税別)

60年も前に出版された 『 いたずらきかんしゃちゅうちゅう 』 を読んでと、子どもにさし出されたら、どきっとします。だってていねいに読めば20分はかかるし、絵は黒コンテ一色でとても地味。なのになぜ2〜3歳の子が、この絵本に夢中になれるのか・・・。彼らは、文字が読めない分、絵を読んでいるのです。ページをつなぎあわせるように、スリリングにダイナミックに動きまわるちゅうちゅうは、まさに子どもたちのしたいことと同じ。
(いろいろVol.6に掲載)

おっぱい
みやにしたつや さく・え すずき出版(1,000円・税別)

 「 おっぱい 」 で始まる絵本。このひとことで、たいていの子どもは集中。誰のおっぱいだろうと貢をめくると、これが 「 ぞうのおっぱい 」 次は、ねずみさん、ぶたさん、ごりらさん。お母さんたちは、おっぱいをのませながら 「 おおきく 」 「 やさしく 」 「 つよく 」 「 げんきなこになあれ 」 と、いっています。これって子育ての基本。こういうことばを声にして繰り返すと・・・・お母さんはやさしくなれる。子どもたちはうれしくなる。子どもが成長しても、中学生になっていても読んでみてください。はじめしーんとしていて、しばらくすると笑いあっていますよ。ちょっと照れながらね。
(いろいろVol.5に掲載)

もこ もこもこ
たにがわしゅんたろう さく 文研出版(1,243円・税別)

 「 しーん 」 で始まり、次の貢は 「 もこ 」 そして 「 もこもこ 」 この絵本を手にして、とまどうおとながいます。文を目でさらりと読み、絵をちらりと見るだけでは分からないだろうな・・。でも、絵をじっくり読むと、これがおもしろい。止まっている絵を自分の速度で動かし、聞こえないはずの音楽を自由にひびかせていいのですから。8ヶ月の子といっしょにこの絵本を読みました。彼は真剣。半開きになった口からヨダレがトローリ。そして最後の 「 もこ 」 の場面で声をたてて笑いました。
(いろいろVol.5に掲載)

どうぶつえんガイド
あべ 弘士  福音館書店(1,600円・税別)

 『 どうぶつえんガイド 』 の作者は飼育係として長年、動物たちとつきあってこられた方。 プロの目を通して紹介されるゴリラやぞう、へびの姿に、これ、またなるほど……。 動物園へ行く前に読んでおくと、すてきなガイドができ、子どもたちがよろこぶこと間違いなしです。ぜひおためしあれ。
(いろいろVol.4に掲載)

まえむき、よこむき、うしろむき
鈴木 まもる 金の星社(1,200円・税別)

 この絵本には、どのページにも、その 『 まえむき、よこむき、うしろむき 』 の姿が描かれています。まず、ねこさん。動物いろいろ。飛んでる鳥さん。なるほどとながめていくうちに、魚もいろいろ……あれ?ひらめはどの位置からみてもぺったんこ。そういえば私たちは普通、魚は横向き、ひらめは上からしかみていない。虫もみみずも、家の中にあるものをいろんな角度からみてみると、なるほど。こんなふうに見えるのだ。……そういえば子どもの気持ちだって、前から横から後ろからながめてみれば、 「 ああ、そういうことか 」「 そんな風に思っていたんだ 」 と受けとめられることっていっぱい。絵本のなかにはこうした子育てのヒントが結構あるんですよね。
(いろいろVol.4に掲載)

たねいっぱいわらったね
近藤 薫美子 アリス館(1,500円・税別)

 『 たね いっぱい わらったね 』 は、昆虫、草花、たねのようすがぎっしりと、ちょっとグロテスクに描かれています。でも、みんなとびきり元気。 「 はじけたね、うまれたね、愛されたね 」 リズミカルな言葉を声にだすと、これがいいんだね。楽しいんだね。やみつきになるんだね。まあ、一度ためしてみるんだね。
(いろいろVol.3に掲載)

あかいふうせん
イエラ・マリ  ほるぶ出版(960円・税込)

「 この絵本は、前に読んだことがあるから、他(ほか)のんにしとき 」 本屋さんや図書館でよく耳にする言葉です。子どもにすこしでもたくさんの絵本を読ませたい。という親心なのでしょうが、“くり返し読む” “見方や距離を変えて読む” という楽しみ方をもっとおとなも知らなくては “損” です。 文字なしの絵本 『 あかいふうせん 』 は、真っ白な画面に細いペン画とちいさなあかいふうせんだけ。それがすこしずつ変化して、りんごになり、ちょうになり、花になり・・・ 「 あれ、あれあれ 」  とページをめくっていただけの子どもが年を重ねて回数を重ねていくうちに、言葉を添え物語を作ったりしてしまいます。もちろん静かなまま読んでいてもかまいません。 小さな虫たち、野の花に気づき、その名前が言えたら、もうそれだけでうれしいのです。
(いろいろVol.3に掲載)

おこりんぼママ
作:ユッタ・バウア 訳:小森香折  小学館(1,250円・税別)

ペンギンママがある日、突然ぼくを怒鳴りつけました。訳もわからないまま、ものすごい勢いで‥‥‥。ぼくのからだはバラバラ。頭は宇宙に、おなかは海に、くちばしは山のてっぺんに。足だけになったぼくは、ちらばったからだを探しに出かけ、砂漠に迷い込みます。そこへママ。ママは僕のからだをひろいあつめ、しっかり縫いあわせ‥‥。それからひとこと 「 ごめんね 」 。ママに抱かれて、僕もひとこと 「 やっぱりママがいちばんさ 」。この絵本をお母さん方に開き読みすると、まず爆笑。 「 うちと一緒やー 」 それからしんみりとして、やがて泣き出す方も。子育てってたいへんなんですよね。怒ったらあかん、と分かっていてもつい怒鳴ってしまう。そやけど 「 ごめん 」 て言えたら子どもは許してくれる。ここでほっとして‥‥涙なのです。
(いろいろVol.2に掲載)

はつてんじん/
じゅげむ

川端 誠
クレヨンハウス(1,165円・税別)

 落語絵本 「 はつてんじん 」 「 じゅげむ 」 でも右往左往しているおとなに、子どもはつき合ってくれています。そんなにきばって模範的な親にならんでもいいんとちやう‥‥。 「 ごめん 」 と 「 ありがとう 」 と 「 すき 」 が言えたら。まずは、絵本でも一緒に読んで笑おうよ。
(いろいろVol.2に掲載)

いろいろいろんな日
作:ドクター・スース
絵:スティーブ・ジョンソン&ルー・ファンチャー
訳:石井睦美  BL出版(1,500円・税別)

 『 いろいろいろんな日 』 を開いてみてください。いろんな日があって、いろんな気分の日がある。それは、おとなも子どもも一緒。 「 きょう、うちの子はむらさきいろなのかな。わたしは…みどりみたい 」 。けど明日はオレンジ色かもしれない。そう。いろいろあるから、おもしろいんだ。 「 明日を楽しみにしよう 」 、この絵本は私たちをそんな気にさせてくれるんです。
(いろいろVol.1に掲載)

ぼちぼちいこか
作:マイク・セイラー 絵:ロバート・グロスマン
訳:今江祥智  偕成社(1,200円・税別)

ご近所づきあいや子育てに疲れた人におすすめしたい 『 ぼちぼちいこか 』 。何をしてもうまくゆかないかばさんが最後にひとこと。 「 ま、ぼちぼちいこかということや 」 。でもね、このかばさん、目をしっかり見開いて、耳をぴんと立てています。ふてくされたりしていないんですよね。そこのところと表紙の笑顔は、見落とさないでくださいね。
(いろいろVol.1に掲載)

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