いっしょに育つ大人と子ども

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小中学生編 中学生

Q1.
学校に行かなくなりました。原因をたずねても答えてくれません。(中2男子)

理由を話してくれないのは心配ですね。でも、子ども自身もうまく説明できないのかもしれません。“学校に行きたくないのはなぜか”と親の方もいろいろ考えてみましょう。(単にさぼりたいだけなのか、勉強のつまずきはないか、担任の先生とうまくいかないのか、友人関係はどうかなど)。また、お金の遣い方が荒くなっていないか、帰宅時間が遅くなっていないかなど、日常生活での変化にも気をつけましょう。その上で、子どもと話し合い、対応を考える必要があります。子ども自身の決断には親として協力を惜しまないこと、子どもの居場所を確保して、学校に行かせようとあせらずじっくり見守ることが大切です。長引くようならスクールカウンセラー等に相談することも必要でしょう。

Q2.
人と会うのを嫌がり、家に引きこもっています。(中3女子)

家の中ではどんなふうに過ごしていますか。家族ともほとんど話すことがない状態でしょうか。このような状態が続くと、親としては不安になり、強引に家族との交流を命じたり、感情的な態度をとってしまいがちになると思います。しかし、子どもは引きこもることでかろうじて自分の気持ちを保っているのかもしれません。最初は「おはよう!」と日常的なあいさつの言葉だけをかけてみましょう。その際、返事は強要しないこと、粘り強く続けることです。また、昼夜逆転が起こりやすくなるので、生活リズムに配慮しましょう。なお、引きこもりが続くようであれば、専門機関に相談しましょう。

Q3.
言葉遣いや行動が乱暴になり、年下のきょうだいや母親に暴力を振るいます。(中3男子)

自分にとって安全な年下のきょうだいや母親に暴力の矛先が向いているところに、子ども自身の甘えの気持ちがあるようです。しかし、自分の苛立ちを言葉にできず、暴力で表現している子どもの心の背景には「自分の辛さをわかって欲しい、助けて欲しい」という切実な願いが潜んでいるのではないでしょうか。子どもが落ち着いているときに、できるだけ共感する姿勢で、子どもの心の叫びに耳を傾ける必要があるでしょう。何気ない雑談を交わす時間も心をほぐしてくれます。また、問題を家族だけで抱え込まず、専門機関に相談することも必要でしょう。

Q4.
塾と部活の時間が重なります。部活を諦めさせた方がいいでしょうか。(中1男子)

親としては、部活に打ち込むのもいいけれど、学校の勉強をどう考えているのかと焦ってしまいますね。部活は、学校の勉強では学び得ない人生の勉強の場といえます。部活動を通して、子どもは人間関係やチームワーク、責任感、忍耐力、友情などを学んでいくのです。部活と塾の両立をどうするのか、子どもと話し合うことも必要でしょう。大切なのは、子どもが自分の意思で選ぶことです。

Q5.
塾に通っているのに、成績が一向に上がりません。(中2女子)

塾に行き始めたきっかけはどうでしたか。子ども自身の希望でしたか。もし塾を選ばれたのがご両親なら、親の希望に沿っただけで、子どもは塾に通わされているという気持ちを持っているかもしれません。塾に通っていても、成績に結びつくことは難しい場合もあるでしょう。あるいは、塾の雰囲気や先生との相性、学習の進度はどうですか。子どもにとって無理はないでしょうか。一度、子どもとよく話し合う必要があるのではないでしょうか。また、勉強にしっかり取り組めていても成果が目にみえて表れてくるのは数ヵ月かかるといわれています。その間、励まし、見守る姿勢も必要でしょう。

Q6.
学校で体罰を受けたようです。(中2男子)

子どもが打ち明けた場合は、親として真剣に話しを聴き、受け止めることです。叩かれるだけの理由があると思ったとしても、体罰はあってはならないことで、子どもの自尊心を傷つけてしまうことも多いのです。担任の先生とよく話し合い、状況を把握し、子どもの気持ちを十分に伝える努力が大切です。

Q7.
万引きをしました。親として、どのように対応したらよいでしょうか(中1女子)

親にとって辛い出来事ですが、子どもから何らかのサインが発せられていると受け止めることも必要です。子どもと一緒に謝罪に行き、被害を弁償するなど子どもと共に苦しむ過程が必要です。また、万引きに至った背景は何でしょうか。「何でこんなつまらないものを・・・」と思わせるような万引きの多くは、“物欲しさ”より“注意を引くための行動”の可能性が大きいと考えられます。スリルを面白がっている場合は、他でストレスを発散できるよう子どもの生活状況を見直す必要があるでしょう。また、仲間との遊びや力関係で万引きに走ることも少なくないので、子どもの普段の交友関係にも注意を払う必要があるかもしれません。常習性が疑われる場合は、専門機関に相談してください。

Q8.
太っていることを気にして食べなくなり、次第に痩せてきているので心配です。(中2女子)

まず、本当にダイエットの必要がありますか?必要がない場合でも、思春期には自分が他人にはどう見えているのかが重要になってきます。特にこの時期は男女に関わらず、自分の容姿に敏感になりやすいものです。いったん体重をコントロールすることに達成感を感じるようになると、次第にエスカレートしてしまい、生命を危険にさらす可能性もあります。早めに医師の診察を受けてください。しかし、そのような状況になる前に、子どもが自分に対してよいイメージが持てるような働きかけを心がけてください。日ごろから、子どもの長所を適切な言葉でほめることが大切です。

Q9.
最近、何に対してもやる気を見せず、目標もないまま生活しているようです。何を考えているのか分からず、勉強も適当にしています。注意しても反抗するばかりです。どのように娘に接したらいいでしょうか。(中2女子)

この時期の接し方には多くの親が頭を悩ませます。思春期に入り、精神的にも身体的にも非常に繊細になり、色々なことに悩み、また様々なプレッシャーに直面したり、友だちとの付き合い、親を含めた大人たちとの関係にもストレスを感じることがあります。そしてこの時期は子どもと大人の間を揺れ動く不安定な時期でもあります。問題を抱えながらも自立心は芽生え、大人(親)からの指図は受けたがらない子どもも少なくありません。そうかと思うと、何かを求めるかのように甘えてくることもあります。理解しがたい行為と目に写り、親は戸惑うこともありますが、こういう思春期特有な心の状態であるということを理解して、指図ではなく親の思いを伝え、甘えてきた時は突き放すのではなく受容してあげることが大切だと思われます。子どもは安心し、また自立へのステップを踏み出して行くでしょう。

Q10.
ボーイフレンドと出かけると帰宅が遅く心配です。(中3女子)

女性も男性も、相手を好きになると少しでも長く一緒にいたいと思うことは自然なことです。でも、お互いにエスカレートしないよう、性の知識を正しく理解する、行き先を告げ帰宅時間を守るなど、責任ある行動をとるようアドバイスしましょう。また、子どもの交際相手とは互いに紹介しあって、オープンな関係にしておくことです。子どもには、“私はいつもあなたのことを気にかけている、あなたが大切なのだ”という気持ちを伝えることが必要です。

Q11.
最近、子どもが親の言うことを聞きません。「早く勉強したら」などとちょっと言うと、「放っといてくれ」「黙れ」など激しく言い返してきます。どうしてこんなに反抗的になってしまったのか、今までの育て方が間違っていたのか。子どもに反抗されるとついイライラして自分も怒鳴り返してしまいます。子どもとどう接していけばいいのか分からなくなりました。(中1男子)

中学生くらいになると自立心が強くなり、それまでのように親の言うとおりに従うのでなく、なんでも自分の思い通りにしたいという気持ちが強くなってきます。これは子どもが大人になっていく大切なプロセスです。ただ、自分の欲求や衝動をうまくコントロールして伝えることができないために不安定になり、過度に攻撃的になってしまいます。イライラの持って行き場がなく、やみくもに親にぶつけるということもあるようです。子どもの言動に腹は立ちますが、その都度感情的に振り回されないことです。そして、その言動の背景にある子どもの気持ちを「あなたはそう思うのね」と、そのまま受け止めてあげてください。また、特に差し支えがないようなら、子どものしたいようにやらせてあげてもいいでしょう。自分で自分の行動を決定することも、大人になるうえでの大事な一歩だからです。親は今までより少しひいたところから見守るくらいの感覚でいいでしょう。今までの育て方が問題なのではなく、むしろ今までの親子関係に支えられて、子どもが次のステップに進もうとしているのだと理解してください。
ただ、何でも子どもの要求を認めていい訳ではありません。時に「ここから先はだめだ」といった制限を親が示して子どもと正面からぶつかることも必要です。自分をうまくコントロールできない子どもが暴走してその結果傷ついてしまうことから守るためにも、また、子どもの欲求や衝動を適切にコントロールすることを学ぶためにも親が「壁」になることも必要です。
反抗的な子どもでも自分から学校や友達のことを話し始める時があると思います。そんな時は話をしっかり聴いてあげてください。親が本気で子どもと向かい合おうとしている姿勢は子どもにも伝わります。子どもは反抗ばかりしているようにみえて、実は親の真意は汲み取っているものです。

Q12.
学校から帰宅後、泣いているので理由を尋ねたところ、2~3日前からグループの中で無視されているといいます。理由やきっかけに心当たりはないらしく、そのグループの子の親に知り合いがいるので声をかけようと思いますがどうしたものでしょうか。娘は余計なことはしないでほしいと言っていますが。(中2女子)

中学生にもなると子どもの交友関係は親の目から見えにくく、口出しも難しくなってきます。また、子どもには事情やプライドがあり、親のアドバイスをすんなり聞き入れるとは限りません。そこで親のできることは、まず子どもの話をしっかり聴いてあげることです。子どもは今回のことをお母さんにどう解決してほしいというより、ただ自分の今の辛い持ちを聴いてほしかったということではないでしょうか。そこで気の利いたことを言う必要はありません。
子どもの話にしっかりと耳を傾けて「それは大変だったね」「そんな事をされたら嫌だよね」と、気持ちを受け止めてあげてください。どうしてもアドバイスしたいことがあれば押し付けがましくならないように「お母さんなら~するけどどうかな?」と提案にとどめ、あとは子どもに任せてください。お母さんに支えてもらうことで子どもさんは少し気持ちが落ち着いて、冷静に状況を見られるようになるのではないでしょうか。しばらく様子を見守り、状況がよくならない時には学校の先生や、スクールカウンセラーに相談してみることをお勧めします。

Q13.
高校を中退して以来、アルバイトをしながら過ごしていますが、生活のリズムが乱れて、帰宅も翌日の午前といった状況です。親として色々アドバイスしても、喧嘩になってしまいます。もうあまり言わないほうがいいのでしょうか。(17歳女子)

この時期の子どもさんとの接し方は多くの親が頭を悩ませます。言い過ぎではないかとか、もう放っておいた方がいいのではないかと、親自身も自分の対応に自信がなくなったりします。しかし、親として伝えるべきことはもちろん伝えられたらいいのです。お子さんの場合、これからのことを正面から向き合って一緒に考えていく必要があると思われます。話し合いの中で大事にしたいのは、「あなたなりの生き方を探してほしい」「あなたを信じている」というメッセージを伝えることです。子どもさんが表面上どういう言葉で親に反発してきたとしても、それに惑わされずに伝えることが大切です。親が真剣に自分に向き合ってくれている、自分のことを心配してくれているということは必ず伝わるものです。
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