子どもたちの指先や手の中にあるのは、シャクトリ虫やクモの巣についた雨の雫。トカゲやミミズ、蛇の抜け殻。この絵本には文章もなければ、子どもたちの表情もほとんど写されていません。しかし、ゆっくり、じっくり写真を眺めているうち雪で冷たくなった指先の感覚が伝わり、子どもたちのはずんだ息づかい、ことばが聞こえてきます。写っているものが何かを確認するだけでなく、蛙の卵のぐにょぐにょ感、ヤスデが這うゾワゾワとした感触。落ち葉や綿毛のにおいまで、子どもたちと一緒に感じあいたいものです。そして、自分たちの『みてみて！』をすぐに探しにでかけましょ。（いろいろvol.５４号に掲載）